- 空き家になってしまったら
引越し、転勤、親族の他界などで発生する空き家。自分や家族の所有する住宅が空き家になってしまった場合は、その後どのようにして管理、売却、解体などを行うのかが重要な問題です。
- ①土地建物として残す
自ら管理するか、もしくは業者に委託管理するかを決める必要があります。業者に委託する場合は、管理費用が発生しますが、定期的に訪問し必要な管理を行ってもらうことができます。自ら管理する場合は、月に1~2度訪問し、掃除や空気の入れ替え、異常の有無の確認などを行う必要があります。 また、空き家を賃貸もしくは売買に出すという方法もあります。不動産会社に依頼し、必要な場合はリフォーム等を行います。その場合、査定額や契約内容・契約金額が適正かどうか、また契約内容をきちんと理解できているか確認する必要があります。
- ②建物を解体し、土地として残す
建物の傷みがひどい場合や、将来その家に住む可能性がない場合は、解体業者に依頼し解体し更地にします。ただし、住宅が建っていた土地を更地にすると、その土地の固定資産税がそれまでよりも増えるため注意が必要です。
- 空き家が引き起こすトラブル
- ①家屋の劣化
- 破損、倒壊
主に木で作られている日本の住宅は、定期的な換気や適切な管理を行わないとどんどん弱くなってしまい、最終的には倒壊する恐れがあります。倒壊した場合、周囲の住宅や人に被害が及ぶ可能性もあるため、破損や倒壊を防ぐため、修繕や定期的な見回り、あるいは解体等の対応が必要です。
- 結露、雨漏り
屋根や接合部、また台風で気づかないうちに割れた窓などから雨水が侵入します。雨漏りを放置しておくと、建物を支える土台部分の腐食が進み、倒壊の危険性が高まります。
- 悪臭、カビ
締め切った空き家に湿気がこもると、畳や壁にカビが繁殖して悪臭を生じさせるだけでなく、家の基礎部分や柱の腐食が進行するほか、鉄骨部分の錆び付き等により、骨組みが確実に弱くなります。
- 害虫・害獣
手入れのされていない空き家は害虫・害獣の棲み家になりやすい環境です。住み着いた害虫や害獣は、餌を求めてその家屋から近隣住宅へも移動してしまいます。
- 破損、倒壊
- ②犯罪、火災
- 放火、不審火
空き家には燃えやすい枯草、ゴミ、紙ゴミなどが散乱していることが多いため、不審者による放火の可能性が高くなります。燃えやすいものを放置しない、郵便物は定期的に回収するなどの対策が必要です。
- 不法侵入、空き巣
空き家は人の目がないことから、不法侵入や空き巣の恐れもあります。門扉がなかったり壊れていたりする場合は、侵入の容易さもあり目を付けられる可能性が高くなります。
- ごみの不法投棄
誰も住んでいない空き家は、見つかりにくいためごみを不法投棄される場合もあります。定期的な見回りと、外観をきれいに保ち、「きちんと管理されている」という印象を与えることが重要です。
- 放火、不審火
- ③防災
- 災害による倒壊、火災
人の住んでいない空き家は、災害の際に思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。台風で窓ガラスが割れ周辺や隣家に飛び散ったり、地震で火災等の二次災害が引き起こされる場合もあります。所有者が遠方に住んでいる場合は被害にあってもすぐに駆け付けることができず、近隣の人に迷惑をかけてしまう危険性もあります。
- 災害による倒壊、火災
- ④その他
- 景観の悪化
建物が老朽化し、雑草が伸び、長い間人が足を踏み入れていないような状態の空き家は、周囲の景観も悪化させます。ある地域に管理されていない空き家がある場合、地域イメージ(地域ブランド)の悪化につながり、地価の低下や治安悪化を招きます。外観を綺麗に保つことも、空き家管理の重要なポイントです。
- ライフラインのトラブル
空き家になった場合、水道やガス、電気などのライフラインは、水やガス漏れ、電気回路のショートによる事故や火災、またいたずら等を防ぐため、必要に応じて停止手続きを行う必要があります。しかし、定期的に管理をする場合は、掃除や電化製品の使用のためなくては困る場面も出てきます。一時的に開通させることができる場合もありますので、管轄の役所等に確認が必要です。
- 景観の悪化