リフォームについて
家の性能やデザインを今より良いものに変えること全般を「リフォーム」といいます。最近よく耳にする「リノベーション」も実は同じことを意味するのですが、リフォームの中でも大規模な工事で魅力的に変えることを表す場合が多いようです。
家の問題点、それをどう直したいかをリストアップし、優先順位をつけます。リフォーム後の家のイメージを家族で話し合い、大まかな予算も考えておきます。
施工会社の特長や得意なリフォームを調べ、要望に合った会社を3社ほど選びます。まずはこの本で施工例や会社情報をチェック。参考実例も集めておくといいでしょう。
02で選んだ会社に要望と条件を伝え、プランと見積りを出してもらいます。相談は有料か無料かの確認を忘れずに!この段階で「建物診断」を受ける方法も。
プランと見積りを比較検討。見積額以上に費用がかかることはないか、工期の目安などを聞いておきます。ローンを利用する場合、この段階で金融機関に相談を。
1社を選び、プラン確定に向けて打合せを行います。納得できるプラン・会社を選ぶことが大事なので、ここで妥協するのはNG。気に入った会社が見つからないなら、再度04へ。
最終プランと見積額を、設備機器の品番に間違いがないかを確認するぐらいしっかりチェック。納得いけば「工事請負契約」を結びましょう。融資の契約もこの段階で!
構造や法律の制限で自由にできないことや、
費用の問題やリフォーム後の不具合などで困らないようにするための注意ポイントです。
造的に必要な柱や壁を動かしたり、取ったりすることはできませんので、その制約の範囲内になります。間取り変更の自由度が高いのは、「木造軸組工法」と「鉄骨造」の家。
トイレや洗面台を取り換えるだけでも、床や壁の張り替えも必要になります。人気のタンクレストイレは、水圧が低いと充分に流れないことがあるので注意。水圧や配管状態なども確認しましょう。
大きい窓への入れ替え、増設は自由にできません。壁に穴を開けることになるため、建物の耐震強度に係るからです。また、窓の位置やサイズは変更せず、窓を新しいものに替える場合でも、方法によっては外壁補修が必要になってきます。
延床面積を「建ぺい率※1」「容積率※2」の制限の範囲内に、一定の面積以上の増築は確認申請が必要で、既存の部分についても現行の建築基準法の適用を受ける場合があります。場合によっては斜線制限※3も関係してきます。
※1:敷地面積に対する建築面積の割合の上限を「%」で示すもの。都市計画の用途地域によって異なります。増築の場合、この範囲を超えてはいけません。
※2:敷地面積に対する延床面積の割合の上限を「%」で示すもの。都市計画の用途地域によって異なります。増築の場合、この範囲を超えてはいけません。
※3:建物の高さを制限するもので、隣地斜線制限や道路斜線制限などがあります。それぞれ一定の条件によって制限。これとは別に用途地域による「高さ制限」も。
維持管理
住宅のメンテナンスの基本は、早期発見・早期対応です。
大きな欠陥(瑕疵)や建物・設備などの劣化、不具合などを早期に発見し、早期に対応することが、住宅メンテナンス(維持管理)には重要です。
住宅の抱える問題点を早期発見するにはどうすれば良いのでしょうか?
基本は、まず、住まい手の皆さんが自ら点検することです。建物の内部も外部も、そして、できれば床下や屋根裏も点検口から見える範囲だけでも点検しておきたいものです。住まいを長く良好に住み続けたいなら、住まいの維持管理という意識が必要ですね。
次に、その住宅を新築した工務店やハウスメーカーなどに点検してもらうことも方法です。多くのハウスメーカーでは、新築後も半年・1年・2年などの期間を決めて定期点検をしているものです。これは、しっかり利用しておくべきでしょう。
最近では、全く利害関係のない第三者に点検・建物調査してもらうという方法もあります。
建物検査(インスペクション)と呼ばれています。
第三者の専門家に点検・建物調査を依頼すると、やはり有償となります。自ら代金を支払って、第三者の専門家に点検・建物調査することのメリットは何でしょうか?
- (1)利害関係がなく信頼できる立場である
- (2)早期に住宅の問題点を発見し早期対応できる
- (3)早期対応によって将来の大きな負担(コスト)を抑えられる
- (4)住宅を良質な状態で保つことができる
- (5)不要なリフォームをせずに済む
※上記(5)については、リフォーム業者に不要な工事を勧められても、第3者の専門家に点検・建物調査してもらうことで、そのリフォーム工事が本当に必要であるかどうか判断することができます。
こうしてみると、第三者の専門家による点検・建物調査のメリットは大きいと言えますね。